
シャドーイングは意味ない、という言い方をよく見かけます。
ただ、同じ言葉で勧めている人も同じくらいいます。
どちらかが嘘をついているのではありません。
意味がある条件と、意味がなくなる条件が別々にあるだけです。
分かれ目は条件のほうにあります。
この記事は「意味ない」と言われる言い分を7つに分け、それぞれがどんな条件で当たるのかを並べたものです。
結論を先に書くと、7つのうち5つはやり方の条件が外れているときに当たります。
残りの2つは、そもそも目的が合っていないときに当たるものでした。
つまり意味がないのは練習ではなく、条件の合っていない組み合わせです。
【結論】シャドーイングが意味ないのは条件が外れているときだけ
結論から書きます。
よく言われる7つの言い分を、当たる条件とあわせて並べました。
| 「意味ない」と言われる言い分 | それが当たる条件 | 条件を外したときの扱い |
|---|---|---|
| 聞き取れるようにならない | 意味を知らない文を音だけ追っているとき | 先に語彙を調べれば当たらない |
| 口が動くだけで頭に残らない | 台本をいちども見ずに続けているとき | 見る回と見ない回を分ければ当たらない |
| 話せるようにならない | 話す練習の代わりに使っているとき | そもそも別の練習なので当たる |
| 発音がよくならない | 自分の声を聞かずに続けているとき | 録音して聞き直せば当たらない |
| 時間の無駄になる | 毎回ちがう音声に手を出しているとき | 同じ音声を続ければ当たらない |
| 効果が出る前にやめる | 終わりの目安を決めていないとき | 回数と日数を先に決めれば当たらない |
| 試験の点が上がらない | 試験までの日数が足りないとき | 直前期なら当たる |
表の3行目と7行目だけは、やり方を直しても当たります。
この2つは条件の話ではなく、目的が合っていないケース。
話す練習をしたい人と、締切が迫っている人には、たしかに向きません。
残りの5つは、進め方を変えると当たらなくなる言い分です。
以下、1つずつ分けていきます。
シャドーイングが意味ないと感じる1つ目|聞き取れるようにならない
いちばん多いのがこの言い分です。
毎日やっているのに、音声を聞き直すとやっぱり分からない。
この状態は、聞き取れていない理由が2つに分かれているのに、片方しか練習していないときに起きます。
- 音を知らない=語と語がつながって別の音になっているのが分からない
- 言葉を知らない=音は拾えているが、その語の意味を持っていない
音の練習で直るのは前者だけです。
後者は、何度声に出しても直りません。
意味を知らない語は、声に出せるようになっても聞き取れるようになりません。
台本を開き、知らない語に丸をつけてから練習に入る。
この一手間を入れるだけで、この言い分は当たらなくなります。
シャドーイングが意味ないと感じる2つ目|口が動くだけで頭に残らない
音は追えているのに、何を言ったか覚えていない。
これは台本をまったく見ないまま続けたときに起きます。
台本を見ない練習には、意味を切り離してしまう副作用があります。
| 台本の扱い | 起きること | 向いている段階 |
|---|---|---|
| 最初から最後まで見る | 文字を読んでいるだけになる | 速さに慣れていない初日 |
| いちども見ない | 音は追えるが意味が残らない | すでに内容を覚えている段階 |
| 見る回と見ない回を分ける | 意味と音のどちらも残る | ふだんの練習 |
おすすめは3行目の形です。
台本を見て重ねる回を先にやり、そのあと台本を閉じて追う。
見る回と見ない回を分けると、意味と音のどちらも落ちません。
シャドーイングが意味ないと感じる3つ目|話せるようにならない
これは当たります。
シャドーイングは、聞こえた音をそのまま返す練習です。
自分で言いたいことを組み立てる場面が1回も出てきません。
だから話す力そのものは伸びにくい。
- 伸びやすい=音の区切りを拾う・速さに慣れる・言い回しを口になじませる
- 伸びにくい=自分で文を組み立てる・相手の話に合わせて返す・言い換える
話す練習をしたいなら、相手がいる場を別に用意するほうが早いです。
この練習は話す力の代わりにはならず、話す場と組み合わせて使うものです。
逆に、話す場だけを増やしても音は拾えるようになりません。
どちらかを選ぶのではなく、役割を分けて両方置くのが答え。
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シャドーイングが意味ないと感じる4つ目|発音がよくならない
音を真似しているのに発音が変わらない、という言い分です。
これは自分の声を聞いていないときに起きます。
練習中は音声と自分の声が重なっているので、自分がどう言っているかは分かりません。
1週間に1回でいいので、録音して聞き直してください。
| 聞き直すところ | ずれていたときの直し方 |
|---|---|
| 語の最後の音 | 最後の子音だけを3回続けて言い直す |
| 文の区切り | 息を吸う場所を台本に線で書き込む |
| 速さ | 速い場所だけを半分の速さで3回 |
| 強く読む語 | 音声で高く聞こえる語に印をつける |
録音して聞き直す回を入れないと、この練習は発音に届きません。
シャドーイングが意味ないと感じる5つ目と6つ目|時間の無駄になる
残る2つは、進め方の決め方の話です。
毎回ちがう音声に手を出すと、言えなかった場所が積み上がりません。
同じ音声を何日か続けると、減っていくものが見えるようになります。
もう1つは、終わりの目安を決めていないこと。
- 1回の長さ=20分前後(声を出すのは10分まで)
- 同じ音声を続ける日数=1週間
- 次へ進む目安=台本を見ずに8割の語が口から出る
この3つは研究から出した数字ではなく、迷わないために決める目安です。
決めずに始めると、やり方が合っていても数日でやめることになります。
逆に決めてしまえば、効果の有無を自分で判断できるようになる。
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シャドーイングは意味ないのかについてよくある質問
シャドーイングは本当に意味がないのですか?
意味がなくなるのは条件が外れているときです。
意味を知らない文を音だけ追う、毎回ちがう音声に手を出す、終わりの目安を決めない、のどれかに当てはまると手応えが出ません。
条件をそろえれば、音の区切りを拾う力には届きます。
どれくらい続ければ判断できますか?
同じ音声で1週間が目安です。
判断の材料は、言えなかった場所の数が減っているかどうかだけにしてください。
減っていないなら音声が速すぎるので、やめるより先に1本替えるほうが先です。
意味ないと言われるなら、ほかの練習のほうがいいですか?
目的によります。
自分で文を組み立てて話したいなら、相手がいる場のほうが近道です。
聞き取りで固まる場所を減らしたいなら、この練習のほうが向いています。
毎日やらないと意味がないですか?
毎日でなくてもかまいません。
ただし2日続けて空けると、前の日に言えなかった場所を覚えていられません。
1回を短くして、空けない形にするほうが残ります。
試験の直前にやっても意味はありますか?
直前期には向きません。
音の聞こえ方が変わるまでに日数がかかるので、数日では形になりません。
試験が近いなら、出題形式に合わせた演習に時間を回すほうが確実です。
シャドーイングが意味ないかどうかを自分で決める基準
最後に、判断の基準だけを置きます。
| 確かめること | 当てはまるときの答え |
|---|---|
| 意味を知らない語を放置していないか | 放置しているなら、まず語彙を調べる |
| 同じ音声を続けているか | 毎回ちがうなら、1本に絞る |
| 終わりの目安を決めているか | 決めていないなら、回数と日数を先に決める |
| 録音して聞き直しているか | していないなら、週1回だけ入れる |
| 話す力を伸ばしたいのか | そうなら、相手がいる場を別に置く |
| 試験が数日後か | そうなら、演習に時間を回す |
この6行に当てはめれば、意味があるかどうかは自分で判断できます。
他人の結論を借りる必要はありません。
条件を1つずつそろえてから、もう一度決めてください。
参考文献
- VOA Learning English(英語学習者向けの音声・動画)(VOA Learning English 公式サイト)
- BBC Learning English(英語学習者向けの音声・動画)(BBC Learning English 公式サイト)
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