
ディクテーションとシャドーイングは、どちらも音声を使う練習です。
名前が並んで出てくるので、同じものの言い換えだと思われがち。
やっていることはまるで違います。
片方は書く練習、片方は言う練習です。
書く練習は、聞こえなかった場所を1語単位で特定できます。
言う練習は、音のつながりと速さに体を慣らせます。
この記事は、2つの違いを手順と向く場面で分けたものです。
どちらが上かという話はしません。
【結論】ディクテーションは特定する練習、シャドーイングは慣らす練習
結論から書きます。
違いは次の6行に収まりました。
| 比べるところ | ディクテーション | シャドーイング |
|---|---|---|
| やること | 聞こえた音を書き出す | 聞こえた音を半拍おくれて言う |
| 止めるか | 何度でも止める | 止めずに最後まで流す |
| 1分の音声にかかる時間 | 15分から30分 | 3分から5分 |
| 分かること | 聞き取れなかった語が1語単位で分かる | ついていけない区間が分かる |
| 伸びやすい力 | 音と文字を結びつける力 | 音のつながりと速さへの慣れ |
| 向く場面 | 原因を特定したいとき | 量を回したいとき |
原因を知りたいなら書く練習、慣らしたいなら言う練習です。
3行目の時間差が、使い分けのいちばん大きな理由になります。
書く練習は1分の音声に30分かかることがあるので、毎日はまず続きません。
だから週に1回だけ書く練習を入れ、残りは言う練習で回す形が組みやすい。
ディクテーションとシャドーイングの手順はどこで分かれるか
手順で比べると、分かれ目は「止めるかどうか」の1点です。
| 手順 | ディクテーション | シャドーイング |
|---|---|---|
| 1 | 音声を1文だけ流す | 音声を通して3回聞く |
| 2 | 止めて、聞こえたまま書く | 台本を見て重ねて言う |
| 3 | もう一度流して書き足す | 台本を閉じて半拍おくれて言う |
| 4 | 台本と見比べて赤を入れる | 言えなかった場所を数える |
| 5 | 間違えた語だけ聞き直す | 翌日も同じ音声で繰り返す |
書く練習の4手順目が、この練習のいちばんの中身です。
自分が書いた文字と台本を並べると、聞き取れなかった語がそのまま残ります。
- 語を知らなかった=そもそも持っていない語だった
- 音が結びつかなかった=知っている語なのに音から出てこなかった
- 区切りを間違えた=2語を1語として聞いていた
この3つに分けられるのが、書く練習だけの強みです。
言う練習では、どの型だったのかまでは出てきません。
ディクテーションとシャドーイングの使い分け方
使い分けは、今どこで困っているかで決めます。
| 困っていること | 先にやる練習 | 理由 |
|---|---|---|
| 何を言っているか全然分からない | ディクテーション | 聞こえない語を特定しないと手が打てない |
| 単語は拾えるが速さに追いつかない | シャドーイング | 速さは量で慣らすしかない |
| 知っている語が聞き取れない | ディクテーション | 音と文字が結びついていない場所を洗い出す |
| 口が回らない | シャドーイング | 口の形は声を出さないと変わらない |
| 続ける時間が取れない | シャドーイング | 1回5分で回せる |
| 試験で書き取りが出る | ディクテーション | 出題の形と練習の形が同じ |
迷ったときは、書く練習を1回だけ入れてみてください。
1回書き出すと、自分の弱点がどの型なのか先に分かります。
型が分かってから言う練習に移ると、どこを見るかが決まっている状態で回せます。
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ディクテーションとシャドーイングを1週間に組み合わせる形
どちらかを選ぶ必要はありません。
時間のかかり方が違うので、週の中で置き場所を分けます。
| 曜日 | やること | かける時間 |
|---|---|---|
| 月曜 | ディクテーションで1文ずつ書き出す | 30分 |
| 火曜 | シャドーイングで同じ音声を追う | 20分 |
| 水曜 | シャドーイングで同じ音声を追う | 20分 |
| 木曜 | 書き出した赤の語だけ聞き直す | 10分 |
| 金曜 | シャドーイングで同じ音声を追う | 20分 |
| 土曜 | 録音して自分の声を聞き返す | 15分 |
| 日曜 | 休む | 0分 |
この割り方は、同じ音声を1本だけ使う前提です。
月曜に書き出した赤の語が、金曜に言えるようになっているかを見ます。
同じ音声を使うから、書く練習と言う練習がつながります。
別の音声に替えると、月曜の赤が土曜まで残りません。
1週間が終わったら、残った語だけを次の音声に持ち越す。
ディクテーションとシャドーイングでやりがちな間違い
2つの練習は、混ぜたときにいちばん効率が落ちます。
書きながら声に出す
同時にやると、どちらも中途半端で終わります。
書く手が止まるたびに音声も止まるので、速さに慣れる場面が消える。
別の日に分けてください。
書き出した文を直さない
書くところまでで終わると、聞き取れなかった語が分からないまま残ります。
台本と見比べる4手順目が本体です。
毎回ちがう音声を使う
書く練習で見つけた語を、次の音声で確かめられません。
1本の音声を1週間使うほうが、減っていくものが見えます。
2つの練習は同じ1本の音声に当てて、初めてつながります。
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ディクテーションとシャドーイングについてよくある質問
ディクテーションとシャドーイングはどちらを先にやるべきですか?
何を言っているか分からない段階なら、書く練習を先にしてください。
聞き取れない語を特定しないと、言う練習でどこを見ればいいか決まりません。
単語は拾えていて速さだけが問題なら、言う練習から入って大丈夫です。
両方やる時間はありません。どちらか1つなら?
1回5分から回せるシャドーイングのほうが続きます。
ただし週に1回だけでも書く練習を入れると、直す場所がはっきりします。
時間が取れない週は、書く練習を1文だけに縮めてもかまいません。
ディクテーションは何回聞き直してもいいですか?
書き足せなくなるまで聞き直してかまいません。
回数の上限を決めるより、これ以上は書けないという地点まで行くほうが大事です。
そこから先が、台本と見比べて分かる部分になります。
シャドーイングで言えない場所は書き出したほうがいいですか?
台本に線を引くだけで足ります。
書き出すところまでやると時間が倍になり、1回で終わらなくなる。
線を引いた場所が3日続いたら、そこだけ書き出してください。
同じ音声を両方の練習で使っていいですか?
むしろ同じ音声で使ってください。
別の音声にすると、書く練習で見つけた語を言う練習で確かめられません。
1本の音声を1週間、両方の練習で回す形がいちばん無駄が出ません。
ディクテーションとシャドーイングの違いを3行で
最後に、覚えておくところだけをまとめます。
| 聞きたいこと | 答え |
|---|---|
| 何が違うのか | 書く練習と言う練習 |
| 何が分かるのか | 書く=聞こえなかった語/言う=ついていけない区間 |
| どちらを先にやるか | 分からない段階は書く、速さの問題は言う |
| 1分の音声にかかる時間 | 書く=15〜30分/言う=3〜5分 |
| 組み合わせ方 | 週1回書いて、残りは言う |
| 使う音声 | 1本を1週間、両方に使う |
どちらが上かではなく、分かることが違うだけです。
原因を知りたい日と、量を回したい日で持ち替えてください。
2つを別の音声に当てると、つながりが切れて両方が薄くなる。
参考文献
- VOA Learning English(英語学習者向けの音声・動画)(VOA Learning English 公式サイト)
- BBC Learning English(英語学習者向けの音声・動画)(BBC Learning English 公式サイト)
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