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英語の多読のやり方|辞書なしで読める本の選び方と1日に読む量

英語の多読のやり方|辞書なしで読める本の選び方と1日に読む量

英語の多読は、やり方を決めずに始めると1冊目で止まります。

止まる原因は、やる気でも時間でもありません。

選んだ本が、いまの自分に対して難しすぎることです。

多読は、知らない単語を1つずつ調べながら読む精読とは別の練習になります。

辞書を引かずに最後まで読み切れる本を選ぶところから始まる練習です。

この記事は、公的機関と出版社が公開している基準だけで多読のやり方を組み立てました。

使ったのは、次の3つだけです。

  • 北海道大学附属図書館が配っている英語多読のスタートアップガイド
  • Oxford Bookworms LibraryとPenguin Readersのレベル表(出版社の公開データ)
  • Extensive Reading Foundation による多読(extensive reading)の解説

決めるのは、本のレベル・1日に読む量・本の入手先の3つだけです。

そして最初の1冊は、1,000語未満の本から

どれも数字で決められるので、始める日に迷う時間は要りません。

目次

【結論】英語の多読のやり方は辞書なしで読める本を選ぶところで決まる

結論から書きます。

多読のやり方で最初に決めるのは、教材の種類ではなく本のレベルです。

1ページに知らない単語が1〜2語までの本を選びます。

これはオックスフォード大学出版局が、グレーデッドリーダーのレベルの選び方として出している目安。

同じ場所には「1分間に8〜10行読める」「読んでいる内容のほとんどが分かる」という2つの目安も並んでいます。

3つとも、本を開いた3分で自分で確かめられる基準になります。

多読で迷うところこの記事の答え数字の出どころ
どのレベルから始めるか1ページの未知語が1〜2語までオックスフォード大学出版局のレベルの選び方
最初の1冊の長さ総語数1,000語未満・読みやすさレベル1.0以下北海道大学附属図書館の多読ガイド
どこまで易しい本を読むか読みやすさレベル2〜3までで100万語北海道大学附属図書館の多読ガイド
どのくらいの速さで読むか1分あたり100〜150語で読める本北海道大学附属図書館の多読ガイド
知らない単語が出たとき辞書を引かずに飛ばすSSS英語多読研究会の多読三原則
つまらない本に当たったとき我慢せずにやめて次の本へSSS英語多読研究会の多読三原則

表の6行は、このあとの章で1つずつ根拠を出していきます。

多読は、分からない語を減らす練習ではなく、分かる語で読む量を増やす練習です。

Extensive Reading Foundation も、多読を「いまの読解レベルより易しい本を、辞書を引かずに速く読むこと」と説明しています。

そこでは、本の内容を完全に理解することより、大量に読むことのほうが大事だという置き方になっています。

精読と多読は目的が違うので、1冊の本で両方をやろうとするとどちらも中途半端。

使う本を最初から分けてしまうほうが、結局は速く進みます。

英語の多読のやり方を支える三原則

多読には、日本で広く使われている3つの原則があります。

SSS英語多読研究会が発表したもので、北海道大学附属図書館の多読ガイドにも同じ形で載っています。

  • 辞書は引かない(辞書を引いてばかりでは進まず、多読にならないため)
  • わからないところはとばす(立ち止まって悩まずに続きを読む)
  • つまらない本はやめる(興味が持てない本・疲れる本はすぐ返して選び直す)

3つとも、読む量を止めないための原則です。

辞書を引かないのは、引いた瞬間に読書が止まるから。

北大のガイドは、気になる語をたまに調べるのは問題ないとしたうえで、まず辞書なしですらすら読める本を選ぶことが重要だとしています。

辞書が要らない本を最初に選べば、三原則は努力しなくても守れます。

つまらない本をやめる原則も、根っこは同じ。

我慢して読むと多読そのものが止まるので、合わない本はすぐ手放します。

途中でやめた本も、読んだ分だけ語数に記録

北大のガイドは、中断した本の語数を1/10や1/5に減らして記録する方法を案内しています。

「読むのに時間がかかりすぎる」と感じたときも同じ扱いで、他の本で経験を積んでから後日もう一度挑戦します。

多読と同じように、順番を決めてから始めたい人は、英語を独学で進める手順の記事も参考にしてください↓

英語の多読のやり方で使う本のレベル一覧

多読で使う本は、学習者向けにレベル分けされたグレーデッドリーダーが中心になります。

Extensive Reading Foundation の説明では、出版社が出すシリーズはふつう4〜6段階です。

ここでは、レベルと語数を公開している2つのシリーズを並べます。

オックスフォードの7段階

オックスフォード大学出版局のOxford Bookworms Libraryは、Starterから Stage 6 までの7段階です。

使う見出し語(headwords)の数と、1冊の平均語数が段階ごとに決まっています。

Oxford Bookworms Library見出し語数1冊の平均語数本体価格(税抜)
Starter250語1,375語790円
Stage 1400語5,200語790円
Stage 2700語6,500語790円
Stage 31,000語10,000語790円
Stage 41,400語16,000語880円
Stage 51,800語23,000語880円
Stage 62,500語30,000語880円

Starterの1冊はおよそ1,375語で、通学の行き帰りで読み切れる長さ。

一方のStage 6は1冊30,000語あるので、同じシリーズでも中身の重さはまったく別物です。

シリーズ名ではなく、見出し語数と平均語数でレベルを見てください。

価格は税抜の参考価格で、Starterから Stage 3 までが790円、Stage 4 以上が880円という並びになっています。

ペンギンの8段階

Penguin Readersは、Pre-A1のStarterからB2のLevel 7までの8段階。

公式のハンドブックには、CEFRのレベルと1冊の語数、見出し語数が表で載っています。

Penguin ReadersCEFR1冊の語数見出し語数
StarterPre-A1400〜600語350語
Level 1A11,000〜1,600語550語
Level 2A1+3,000〜5,000語700語
Level 3A27,000〜10,000語1,000語
Level 4A2+11,000〜14,000語1,200語
Level 5B115,000〜18,000語1,600語
Level 6B1+18,000〜22,000語2,000語
Level 7B222,000〜26,000語2,500語

同じハンドブックは、本のレベルについてはっきりした指示を出しています。

自分のレベルと同じか、1つ下のレベルの本を選ぶことをすすめています。

例として挙がっているのは、A2+のクラスならA2のLevel 3を読むという組み合わせ。

背伸びをしないほうが自信がつき、覚えたことが固まるという考え方です。

日本独自のYLという目安

日本の多読には、YL(読みやすさレベル)という独自のものさしもあります。

SSS英語多読研究会が出している、日本人学習者にとっての読みやすさの目安で、0.0から9.9までの数字で表します。

出版社ごとのレベル表示は基準が違って比べられないので、横並びにするための数字という位置づけ。

YL(読みやすさレベル)そのあたりの本使いどころ
0.8前後Penguin ReadersのEasystarts、Macmillan ReadersのStarter多読を始める1冊目
1.2前後Cambridge English ReadersのStarter0点台を数冊読んだあと
2〜3各社の下から2〜3段階目100万語まで主に使う帯
7前後Harry Potterの第1巻(約77,000語)多読を続けた先の目標

北海道大学附属図書館のガイドは、最初に選ぶ本の条件を数字で出しています。

YL1.0以下で1,000語未満の本を、すらすら読めると感じるまで数冊。

そして一般的には、YL2〜3程度までの本だけで100万語読むのが望ましいとされています。

先を急ぐより、下のレベルを大量に読むほうが後で効いてきます。

英語の多読のやり方を精読や音読と比べた

多読を他の練習と混ぜてしまうと、どちらの効果も薄くなります。

4つの練習を、目的と教材のレベルで比べました。

練習主な目的教材のレベル辞書
多読読む量と速さを増やすいまのレベルより易しい引かない
精読文構造と語彙を正確に取るいまのレベルか上引く
音読読める文を口で出せるようにする意味が取れている文先に引いておく
シャドーイング音を聞き取って再現する聞いて8割わかる音声先に引いておく

Penguin Readersのハンドブックは、多読を「楽しみのため、情報を得るため、読む力を伸ばすために読むこと」と定義しています。

反対に、語彙や文法を細かく調べる読み方は精読(intensive reading)という別の名前です。

多読で速さを作り、精読で正確さを作る、という分業になります。

同じハンドブックには、自分の速さとレベルで読むほうが、難しい本を精読するより長い文章を読めるという説明もあります。

読んだ文を声に出す練習と組み合わせたい人は、英語の音読のやり方の記事が手順まで書いてあります↓

音声つきのグレーデッドリーダーを使うなら、聞き取りの練習にそのまま回せます。

音から入る練習をしたい人は、シャドーイングのやり方の記事を先に読んでおくと迷いません↓

英語の多読のやり方を1日の時間に落とす

レベルが決まったら、次は1日の量です。

ここも、速さの目安が公開されているので計算で出せます。

1日15分で回す形

北海道大学附属図書館のガイドは、1分あたり100〜150語で読める本が多読に適したレベルの目安だとしています。

この速さで15分読むと、1日あたり1,500〜2,250語。

毎日続けた場合、1年で約55万〜82万語という計算になります。

1日に読む時間1分100語で読むと1分150語で読むと1年続けた語数(計算値)
10分1,000語1,500語約37万〜55万語
15分1,500語2,250語約55万〜82万語
30分3,000語4,500語約110万〜164万語

100万語は、1日15分を1年半ほど続けた先にある数字です。

同じガイドには、大学入学までに教科書などで読む英語はせいぜい数万語という記述もあります。

Harry Potterの第1巻1冊で約77,000語なので、学校で読む量は洋書1冊分に届きません。

多読が効くのは、この差を埋める手段がほかにほとんどないからです。

まとまった時間が取れない人は、移動時間や待ち時間に数分ずつ読む形でも構いません。

数分でも数百語は進みます。

語数の記録の付け方

多読を続ける仕掛けは、読んだ語数を足していくことです。

1冊読むごとに総語数を足し、10万語ごとに区切りを作ります。

  • 本のタイトルと読み終えた日
  • その本の総語数(表紙や奥付の表示、シリーズの平均語数)
  • 読みやすさレベル(YLか、出版社のレベル表示)
  • 途中でやめた本は、読んだところまでを1/10や1/5に減らした語数
  • もう一度読みたいかどうかの一言

北大の多読マラソンでは、10万語・20万語といった区切りで達成証が出る仕組みになっています。

記録が続かない人は、冊数だけ数える形に落としても構いません。

大事なのは、やめた本も含めて前に進んだ量が目に見えることです。

平日と休日で時間の作り方を変えたい人は、社会人の英語の勉強法の記事に1週間の割り方を置いています↓

英語の多読のやり方は目的で変わる

同じ多読でも、目的によって選ぶ本と量が変わります。

3つの代表的な目的で分けました。

学校英語をやり直す人

中学・高校の英語をやり直したい人は、YL0点台の絵本やStarterから入ります。

文法の参考書と並行するなら、多読側は「知っている文法だけで読める本」に徹するのが近道。

文法をやり直しながら難しい本を読むと、どちらも進みません。

単元の順番から組み直したい人は、中学英語のやり直しの記事が目安の時間まで出しています↓

TOEICのスコアが要る人

スコアが目的なら、読む速さを上げる手段として多読を使います。

北海道大学附属図書館のガイドは、豊田高専の多読実践例として「約300万語以上読んだ学生は、TOEIC得点が英語圏への留学経験者に匹敵します」という報告を紹介しています。

300万語は、1日15分の計算だと4年以上かかる量。

試験が半年後に迫っているなら、多読だけに賭けるのは現実的ではありません。

短期のスコアは問題演習、長期の読む力は多読、と役割を分けます。

子どもと一緒に読む人

子どもと読むなら、絵の多い本から始めるのが自然です。

Oxford Owlは3歳から11歳向けの無料eBookライブラリを公開しており、登録すれば費用はかかりません。

親の側も、同じ本を声に出して読むだけで多読の1冊分になります。

英語の多読のやり方で本を手に入れる4つの道

多読で一番お金がかかるのは、本そのものです。

1冊を2日で読み切るので、全部買うと続きません。

入手先費用条件向いている場面
図書館の多読コーナー無料貸出カードが要るレベルを試しながら数をこなす
Project Gutenberg無料登録不要著作権の切れた原書を読む
ER-Central無料一部の機能は登録が要る読むのと聞くのを同時にやる
Free Graded Readers無料ダウンロードして使う印刷して紙で読む
Oxford Owl無料登録が要る3〜11歳向けの絵本を読む
書店・ネット書店で購入1冊790〜880円(税抜)なし手元に置いて何度も読む

図書館は、大学の図書館ほど多読コーナーが育っています。

北海道大学の北図書館には約6,000冊の英語多読教材があり、本館に約1,300冊、水産学部図書室に約1,000冊という規模。

まず自分の市区町村の図書館で、グレーデッドリーダーの在庫を調べてください。

無料で読めるサイトは、Extensive Reading Foundation が紹介している2つが入口になります。

Free Graded Readersはダウンロードして使える教材、ER-Centralは1,000以上のテキストを読みながら聞ける無料サイトです。

Project Gutenbergは著作権の切れた作品が中心で、79,631冊を登録なしで読めると表示しています。

ただし原書は多読の1冊目には重すぎるので、レベルが上がってからにしてください。

自分のレベルが分からないときは、Extensive Reading Foundation がレベル判定テストを公開しています。

英語の多読のやり方についてよくある質問

英語の多読のやり方で辞書は本当に引かなくていいですか?

多読三原則では引きません。

北海道大学附属図書館のガイドは、辞書を引いてばかりでは進まず多読にならないと説明したうえで、気になる語をたまに調べるのは問題ないとしています。

そもそも辞書が要らない本を選ぶのが先です。

英語の多読は1日どのくらいの時間が必要ですか?

1日15分でも形になります。

1分あたり100〜150語で読める本を選べば、15分で1,500〜2,250語。

毎日続ければ1年で約55万〜82万語という計算です。

多読の目標が100万語と言われるのはなぜですか?

SSS英語多読研究会が広めた「100万語多読」という考え方からきています。

北海道大学附属図書館のガイドも、100万語を目標にして読んだ総語数を足していく形です。

一般的には、YL2〜3程度までの本だけで100万語読むのが望ましいとされます。

英語の多読に向いている本はどれですか?

学習者向けにレベル分けされたグレーデッドリーダーです。

Oxford Bookworms LibraryのStarterは見出し語250語・平均1,375語、Penguin ReadersのStarterは見出し語350語・400〜600語。

この帯から始めて、物足りなくなったら1段階だけ上げます。

多読だけで英語を話せるようになりますか?

多読は読む力への入力なので、話す練習の代わりにはなりません。

Penguin Readersのハンドブックも、多読の効果として読む速さと流暢さが上がることを挙げています。

話す力が要るなら、音読や会話の練習を別に置いてください。

途中で読むのをやめた本はどう数えますか?

読んだところまでを語数に入れます。

北海道大学附属図書館のガイドは、1/10や1/5に減らして記録する方法を案内しています。

つまらない本をやめるのは、多読三原則で認められた行動です。

英語の多読のやり方で最後に決めること

ここまでを1行にすると、多読のやり方は「レベル→量→入手先」の順で決まります。

レベルは1ページの未知語1〜2語まで、量は1日15分、入手先はまず図書館と無料サイト。

難しい本を1冊読むより、易しい本を10冊読むほうが先に進みます。

レベルを上げたくなったら、物足りないと感じてからで間に合います。

読み始める前にやっておくこと

最初の1冊を開く前に、次の4つを済ませておくと止まりません。

  • 近くの図書館に多読コーナーかグレーデッドリーダーの在庫があるかを調べる
  • Oxford BookwormsかPenguin Readersの一番下のレベルを1冊試し読みする
  • 1ページに知らない単語が1〜2語までかを、本を開いて数える
  • 読んだ本と語数を書く場所(メモアプリでも紙でも可)を1つ決める

4つとも、合計30分あれば終わります。

そのうえで最初の1冊を、1,000語未満の本から選んでください。

参考文献

年齢や体力に合わせて進め方を変えたい人は、シニアの英語学習の始め方の記事が時間の決め方から書いてあります↓

読んだ英語を人に向けて使いたくなったら、初心者の英会話スクールの選び方の記事が入口になります↓

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